茜の顔が、突然、殺気に満ちる。
茜の手に、スマホを握り潰しそうなくらいの力がこもって。
────なに。
なんで。どうして。
ねぇ、拾ってくれた人じゃないの。
私の頭に奴らが浮かんで、目を見開いたのと。
茜が、
「────てめぇ、青嵐のッ…!」
そう怒鳴ったのは同時だった。
そうか、私のスマホは、忘れてきたんでも、落としたんでも、拾われたんでもなかった。
──────“盗られた”んだ。青嵐に。
倉庫の空気が、ガラリと変わった。
茜が瞬時にスピーカーにして、音量を上げたおかげで、私たちにも声が聞こえる。



