手が、震える。
弧を描く口元もぎこちなく震える。
私の恐怖心と、よくわからない焦りを倍増させるように、心臓の不規則な音が加速する。
「────っ、」
恐怖から逃げたくて、ぎゅって目を閉じそうになったけど。
「ひぃちゃーーーん!」
「早くこっちこいって!」
「総長もー!!」
そう、叫ぶ彼らのおかげで私は恐怖から抜け出せた。
視界にいっぱいに海は広がってる。
でも。
──焦点をずらせば、海なんてボヤけて。
私の視界にはいっぱいに白龍のみんなが映るんだ。
私のさっきの震えに気づいたのか、優しく肩を二回ぽんぽんと叩かれて。
パッと横を見ると、美影が優しく、
「────大丈夫」
そういって目元を緩めた。
いつもの無表情が崩れて、ほんの少しだけだけど微笑んだ美影に、私の心の中には安心感が広がった。
“大丈夫”、自己暗示するよりも。
彼らに“大丈夫”、そう言ってもらえたほうが、もう本当に大丈夫な気がするんだ。



