お願いだから、触らないで欲しかったのに。
秘密の、宝物だったのに。
白龍のみんなしか知らない、大切な秘密だったのに。
何かを言いかけた中哉を無視して、悔しくてほんの少し泣きそうになりながら、素早く中哉の手から奪い取った。
「さ、わんな」
ただ拾ってくれただけだって分かってるし、理不尽なこと言ってるのは分かってるけど。
さすがに無理だった。
夕がキレたように口を開こうとしたけど中哉がそれを止める。
だけど、私はそんなの気にとめる暇もなく彼らにまた背を向けた。
足元に落ちたカバーを拾って、私は教室に向かって歩き始める。
スマホをゴシゴシと強く強く袖でこすって、元通りにカバーをはめた。
────悔しい、悔しい悔しい悔しい。



