グイッと適当に血を拭って、ため息を吐く。
…どうしよう、教室に行くの嫌になってきたな。
「あ、旧美術室いこう」
一応伽耶に連絡入れておいたほうがいいよね、スマホでメッセージを打ちながら階段を上る。
久しぶりに見た空き教室に、マイホームに帰ってきたような感情が湧いてきて、扉を開けながら「たっだいまー!」なんて言ってみた。
…うん、割と恥ずかしい。
って、それよりも。
隅に置かれたダンボールの山、壊れたホウキ。
壁に立てかけられた使わなくなったキャンバス。
真ん中に四角くくっつけられて置いてある、4つの机。
黒板の落書き。
中を見渡してホッと息を漏らした。
「よかった、何も変わってない」



