綺麗に伸ばされた爪が、腕に食い込む。
……さ、刺さってるかな、これ。
少し顔を歪めながら篠原柚姫を見れば、作ったような余裕そうな笑みを向けられた。
どこか、悔しさと怒りがにじみ出ている気がするけど。
「…じゃ、じゃあ、最後に一つ教えてあげる。私は、あんたの過去を────知ってるわよ」
「…それが?」
ほんの少し、動揺したけど。
でも、自分でもびっくりするくらい本当に少しだった。
…みんなの、おかげかな。
私のそんな様子をみて、予想外だったのか篠原柚姫の方が動揺している。
「せ、青嵐のみんなに聞いたんだから!」
「それが?」
「白龍に、ばらしてやる!」
「もう知ってる」
「っ… 」
動揺させたかったんだろうけど、全然動揺しない私にチッと舌打ちした篠原柚姫は私の腕から手を離して一人で歩いて行ってしまった。
姿が見えなくなって、ようやくふうっと息を吐く。
ポケットに手を突っ込んでソレを止めてから、私は壁にもたれかかった。



