真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】



関心して、茜の背中を眺めながら私もまた歩き始めようとすると、後ろから歩いてきた美影に抜かされた。



まだ、後ろがいたんだ。…手に焼きイカ持ってるけど。


美影は、立ち止まる私を不思議そうに見た後、中性的な顔をフッて緩ませて、


「あいつ、あれで多分1番周りのことよく見てんだ」



茜の背中に目線を送りながら呟いた。



見てたんだ、今の。





──でも、そうかもしれない。



てゆーか、そうだ。



私はわかりやすいらしいけど、茜は私の心の変化を敏感に感じ取って、助けてくれて。



前からちょっとだけ、ほんのちょっとだけ思ってた。




ヒーロー、みたい。



………なんて。