関心して、茜の背中を眺めながら私もまた歩き始めようとすると、後ろから歩いてきた美影に抜かされた。
まだ、後ろがいたんだ。…手に焼きイカ持ってるけど。
美影は、立ち止まる私を不思議そうに見た後、中性的な顔をフッて緩ませて、
「あいつ、あれで多分1番周りのことよく見てんだ」
茜の背中に目線を送りながら呟いた。
見てたんだ、今の。
──でも、そうかもしれない。
てゆーか、そうだ。
私はわかりやすいらしいけど、茜は私の心の変化を敏感に感じ取って、助けてくれて。
前からちょっとだけ、ほんのちょっとだけ思ってた。
ヒーロー、みたい。
………なんて。



