そして、涙を止めるために、深く深く息を吸い込んで吐いた。
「日向、もう、大丈夫だろ?」
タカの声が聞こえて、私は強く頷いて、目元をグイッと拭った。
もう、大丈夫。
昨日より、もっと、大丈夫。
私はもう、過去から前に進めてる。
進んでいける。
「私が最近、変だったのはね。おばさんから電話が来て『お母さんが会いたがってる』っていわれたからだったの」
「それで……」
「それは、断っちゃった。今はまだ会えないから。でも私、いつか絶対会いに行く」
窓の外をみて、強く強くそういえば。
今まで何も言わなかった茜が、いつの間にか私の横に来ていて。
どことなく赤い目で、頑張れよって私をみた。
そして、いつも通り意地悪くニヤリと笑う。



