「なのに、ね」
窓枠にかけていた手にぎゅっと力がこもる。
「私の素性、こんなにも話すの遅くなっちゃって、ごめんね。
みんなの優しさに甘え続けててごめんね。
心配たくさん、かけてごめんね。
私のせいで交戦することになっちゃって、ごめんね。
いっぱい、怪我させてごめっ────」
目をぎゅっと瞑って、窓枠を握りしめて、俯いて謝り続けていた私の頭に手がポンと置かれて、私はびっくりして言葉を止めた。
いつの間に背後に来てたんだろう、ふわりと香ってきた香りは、美影の。
「もう、謝んな」
感情は相変わらずわかりにくいけど。
どこか優しさのこもったその声に、私の力んでいた目と手からフッと力が抜けた。



