ずっしり、何かが体重をかけてきてるみたいに、心も体も重くなる。
暑さのせいか、不規則にドクドクと鳴る心臓のせいか。
────多分、どっちもだけど。
私の額にはうっすらと汗が滲んだ。
建物から出て、道を歩いて行く。
先頭きってギャーギャー騒いでる下っ端とミッキーを「静かにしろ!」なんて注意してる朝陽さんを遠目に見ながら、私は一番後ろを歩いていた。
頑張って歩いてるはずなのに、前の人との距離は開いていく。
──大丈夫、大丈夫だから、怖くないから。
心の中で強くそう言って、何回も深呼吸を繰り返す。
前の人との開いちゃった距離を縮めようと、下に下ろしていた目線を上げると茜が私の目の前に立っていた。
「っわ、」
びっくりして足を止め、思わず声を漏らした私を、相変わらず不機嫌そうに無表情で見てくる。
その様子にムッとして、
「何の用?」
って言ったらそれをまるっきり無視するように、かつ“用”の“う”の部分に被せて言ってきた。
「お前なにブッサイクな顔してんだよ」
……はぁぁあぁ!?
「ちょっと、あんたね!!失礼にも程があるよ!てゆーかイライラをぶつけたいだけなら他を当たって…」



