『始めのいーっぽ!!』 ────そしてそれは始まった。 『だーるーまーさーんーが』 ──パタパタパタ 『こーろーんーだ!』 だんだんと近づく、だいちゃんの声。 走っては止まるみんなの足音。 響いては止む、みんなの笑い声。 何回も何回も、繰り返して。 『だーるーまーさーんーがー…ころんだっ!』 後少し。 後一回。 それでだいちゃんの背中をタッチできる距離にまで縮まった。 私の気持ちは高まる。 大股何歩にしようかなぁ。 ニヤニヤしそうな口元を押さえながらだいちゃんを見つめる。