『こら、待って日向。水筒と帽子っ!ちゃんと持ってかないと熱中症になっちゃうでしょ?ほんとにもー』
『え、大丈夫だよだって私日向だもん』
『意味わかんないこと言ってドヤァって顔すんのはやめなさい?馬鹿がバレるわよ。ほら、ぼ、う、し!』
ぐいっと雑に被せられたキャップを、ムーッという顔をしながら直す。
そして、お母さんに笑顔を向けて『いってきまぁす!』そう言って、私は家を出た。
今日は、海集合って言ってたっけ。
ウキウキしながら、砂浜へ駆けていく。
少し離れた、砂浜から上り坂になって崖があるところ。
その砂浜のところでみんながじゃんけんをしてるのが見えて、『遅れてごめーん!おーいっ!』と声をかけて、そこ目掛けてダッシュした。