何か特別なことがあったわけじゃない。
ただ、みんなが私を思って笑ってくれて。
その笑顔が私が話せないって思ってた気持ちをやんわりと解いてくれた、それだけ。
でも、それだけのことが私にとっては凄く大きく感じた。
みんなはきっと、私を助ける名人だと思うんだ。
そんなことを思ってれば、私の頭に後ろから手がポンとのっかった。
ビックリして振り返ると、
「…いーんじゃん、頑張れ」
綺麗な顔で私を見ている、龍騎さんの弟の相希がいた。
いつからいたんだしって思ったけど、頑張れって言葉が素直に嬉しくて私は頷いた。
「龍騎さん、だからね。─────明日の2時、ここで待ってる」
私はカバンから、地図の書いてある紙を取り出して龍騎さんに差し出した。



