「フッ…おー、送ってくわ」
私の目元に気づいたような、茜の微かな笑い声を無視して私は外に歩き出す。
みんなの声に、「ばいばいっ!!」と強めに返しながら私は早足に外に出た。
茜がバイクを取りに行ってる間に、息を深く吸い込む。
私の心の中で、何かが弾けて溶けて──────固まった。
少し離れたところで、茜がバイクのエンジンをかける音がする。
固まった気持ちが、揺らがないように。
私はもう一度深呼吸した。
上を向いて、目を閉じて、深く深く。
───私も進めるかな。前に。
……進めるよね。前に。
吐いた息。開いた目。
──もう、気持ちは揺るがせない。
「おい日向、乗れ」
「…はーい」
茜の声に返事をする。
心の中、決意を固くして。
ちょびっと滲む視界いっぱいに、茜色の空を映して。



