真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】



どこかで嗅いだことのある香りがふわり、鼻をかすめる。



それだけで、私の頭の中をループしていた過去の記憶は、停止ボタンを押したみたいにピタリと止まった。



それでも、止まらない涙はまた、私の視界を歪ませては落ちていく。



目に涙をためたまま、震える唇をギュッと噛んで、私は後ろを振り返った。






なんでいるの、そう聞いても、意地悪く口角を片方上げて。




あぁもう、なんだかなぁ。





壊れそうになって。

後ろを振り返っても。



──前までは誰もいなかったはずなのに。





瞳に映った金髪が、じわりと滲む。




ねぇ、やっぱりあんたは、私のヒーローだ。






どれだけ世間が蔑んでも。

どれだけ世間の悪者でも。





────ねぇ、茜はヒーローだよ。