真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】



でも、頭に溢れそうになる過去の記憶を必死に食い止めてた今の私に、その言葉は──汚いって言葉は。



頭を過去の記憶でいっぱいにするのには、十分すぎた。



食い止めてたはずの過去が溢れて、脳内を埋め尽くす。



私を前に、進めなくさせる。




「…私が汚いことなんて、あの時からわかってる」




彼の背中を押したあの時から。


みんなの人生を狂わせたあの日から。




「──がはっ、!」



視界が涙で歪む。

余裕の笑顔なんて作っていられない。



みっともなく、子供みたいに涙をこぼして、過去を頭から早く振り払いたくて、苦しむ男を急所なんて何にも考えずに蹴った。




「わかってる…、わかってるよ…!」




夜の海みたいにどす黒い涙が、目から溢れてるような気がする。


そんなのは全部気のせいなんだけど。



頭に響き渡る、あの頃からもう何年も経っているのに忘れられない言葉たち。