…あの時から私は泣いていたのかな、なんて、べつにどうでもいいね。
そのまま歩き出そうとすると、足首をがしりと掴まれた。
粘るなぁなんて思いながら、振り払おうとしたのに次の言葉に私は動きを止めた。
「てめ、泣き真、似とか──汚ねん、だよ……!」
「きたない……?」
「ああそーだよ、やり方が汚「この“世界”にやり方が汚いとか……あるの?」──っ!」
私の口からは、ひどく冷たい声がでた。
泣き真似なんて、してないし。
それに、この“世界”──この“真っ当じゃない世界”に踏み込んだ時から、汚いなんて、卑怯なんて、通用しないのくらい分かってるでしょ?今更何いってるの?
『女に負けたのが悔しいからって、負け惜しみとか意味無いこと言うのやめればいいのに』
───本当はそう言って。
鼻で笑って、蹴飛ばしてやりたかった。



