どれくらい時間が経ったのかなんてわからなくて、感覚がマヒしてくる。
こんなに人を蹴ってるのに、不思議なくらい脚は痛くならなかった。
でも、蹴る度に。
気絶させる度に。
かわりに心がひどく痛む。
暗闇にいるせいか、喧嘩をしてる間にも頭には記憶が蘇ってきて。
苦しくなる。怖くなる。
──思い出す、彼を。
「っ、だいちゃん……ごめんねっ…」
気づいたら、いつの間にか涙が私の頬を冷たく濡らしていた。
いつから私、泣いてたんだろう。
コンクリートに転がって苦しそうに息をする男に向けていた目線を、道に戻す。
この男、そういえば私のこと慰めてあげるとかなんとか最初にいってたかもしれない。いやらしい目つきだったけど。



