真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】




「でも───私のせいで、なんて考えんのはやめろよ?日向の悪いクセだし」


「うっ……はぁい」



ごもっとも。


私ってそんなに考えてることがわかりやすいのかな。



「それに今日、スゲーぼーっとしてるし。なんかあった?」


「へ!?いや、ううん、断じて何もなかったよ!?」



……私って、ほんとにわかりやすい。




「まっ、話したくねーならいいけどな!じゃあ俺ちょっと朝陽のとこ行ってくっから!」


笑顔でそういったミッキーは、ほんとのところちょっと寂しそうで私の胸はまた痛くなった。




朝陽さんのところにかけていくミッキーの背中を見送りつつ、私はソファーにボスンと座る。


ソファーが置いてある、倉庫の後ろの位置は風通しが良くないからか、周りに人が少ない。


ソファーに誰も座ってないのをいいことに、私は履いていたスニーカーを脱いでソファーに寝っ転がった。




…落ち着く。


家にいるよりも、よっぽど。

みんなのいる空間ってだけで落ち着く。





それでも、ぼーっとすればどこか遠くに青が見え隠れする。




おばさんに返事も返していない。

返さなきゃ。


でも、なんて返せばいいんだろう。

お母さんに伝えたいことはたくさんある。言いたいこともたくさんある。


でも、怖い。

怖くて、怖くて、ぜんぶ思い出す。




みんなの騒いでる声が聞こえる。

バイクの音が聞こえる。

いつもと同じ空間にいるのに、何かが違って感じる。



それは多分、私の心の中のせいでもあるけど。


交戦のせいでもあるんだと思う。