「さっき日向聞いてなかったみたいだし、仕方ねーからもう一回言っとくぞ?あのな、日向は狙われる確率少ないと思うけど、なるべく一人で出歩いちゃだめだから」
「うん……なんで?」
「あいつら、交戦仕掛ける前に俺らの戦力減らそうとしてきてる。証拠に、最近白龍の傘下の族の奴らが結構ボコられてんだ」
…そんなに必死なんだ、青嵐は。
確実に勝とうとしてる。
確実に、真実を『真実』に──彼らの信じた『真実』に──塗り替えようとしてる。
いい加減諦めればいいのに。
そう考えながらも、私は胸がズキリと軋むのを感じた。
白龍の傘下の族…。
ボコられたってことは、少なからず怪我をさせてしまったってことだ。…私のせいで。
この交戦だって、いつかは起こることだったけど、それをこの年に持ってきてしまったのは私だ。
交戦が始まるのも、半分、私のせい。
迷惑ばっかりかけてごめん、心の中で謝ろうとした時おでこにビシッと衝撃が走った。
「いっ…!?」
バランスが崩れそうになって、片方の足を後ろに引いて支える。
正面のピンクヘッドをムッという顔で睨み付けると、ごめんごめん、なんて色気のある顔でたしなめられた。



