「あ?なにキレてんのお前。あのな、言っとくけど可愛いっていうのは見た目だけの話じゃねーの。滲み出る雰囲気っつーのがお前はダメダメなんだよ。だからちょっと可愛いとか言われたからって真に受けて顔赤くしてんじゃねっつの」
「…ブフッ!茜それ俺に嫉妬してんだろ!日向に意識してもらえてるから」
「は!?フフフ、フザケンじゃねえ!」
「おい、タカ!珍しく必死になってる茜が今ならタダで見れるぞ!」
「べつに必死になってねぇし!?いいから幹夫はいったん口を閉じろ!」
「え?必死な茜?なにそれレア」
「お前は世界救う旅の続きしてていいからこっち見てんじゃねえ!」
「残念、今日は格ゲーでした〜」
「おま、そのソフト、新作の…!」
「茜まじか!?わかるのかこれが!?」
「──────日向?」
「えっ、なに?」
耳元で突然聞こえた声に、私の肩がピクリと上がった。
…もしかして、またぼーっとしてた?私。
騒いでる声は聞こえてたんだけど。
パッと我に帰った私を見て、ミッキーは何か言いたそうな顔をした。
けど、多分私にそれを言ってもはぐらかすと思ったんだろう、諦めたように開きかけてた口を閉じる。
そしてまた開いて、代わりの言葉を放った。



