なんでか、焦る。
適度な大きさで部屋に響くアップテンポの音楽が、私の心の中の理由のわからない焦りを加速させる。
篠原柚姫は何がしたい?
青嵐の幹部だけじゃ満足できなかったの?
私以外に、何人の人の居場所を奪ったんだろう。
何が彼女をそうさせてるんだろう。
わからない事だらけ。
やっと茜の過去も、不機嫌だった理由もわかって、心の中のもやもやが取れたと思ってたのに。
後ろにぐーっと伸びをして、心の中を落ち着かせるために
「はぁーー」
深く息を吐く。
「篠原柚姫ももしかしたら、何かがあったのかもしれないなぁ…」
だからと言って、もう私が彼女に同情したり優しさを向ける事はないけれど。
真実を彼らに知られた時、篠原柚姫は────どう、するのかな。
「……考えても、意味ないか。よし、今日は久しぶりに早く寝────」