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倉庫から家に帰ってきて、お風呂も出た私はソファーに座って一息つく。


ちょっとぼーっとしてから、夏休みの課題をしようなんて、はたと思いつき勉強机に向かった。


後ろの扇風機の風が、私の髪の毛を揺らして、頬をかすめる。



ついさっきまで賑やかだった周りが、家に帰って途端に静かになったからか、落ち着かない。



耳が、変な感じ。



数学のワークを机の上に広げて、筆箱からシャーペンを取り出した私は、ペン先を問題の下にトンとつけた。



問題を読む。

けど、内容が頭に入ってこなくて、つけたペン先が意味もなくトントンと上下した。




「…うー、集中できない落ち着かない…」




近くにあった棒付きべっこう飴を口に含む。

でも、やっぱり落ち着かなくてもう一回うーんと唸って、音楽をかけた。


うん、これで結構集中できるかな。



止まったままだったペン先がゆるゆる動いて、細い黒い線を書いていく。


4問目を解いている時に、ポキリとシャーペンの芯が折れた。