「なんとかサツの奴らも撒けたなー」
とか呑気に言うミッキーを恨みながら、私がやっとこ恐怖から立ち直れた頃には、大体みんなついていた。
私はイマイチ集合場所とか聞いてなかったんだけど、私たちが今集まってるのは泊まるところの駐車場だ。
…たぶん。
ここら辺はホテルが多いのか、周りには大きく高さのある建物が立ち並んでいる。
その中でも、他のものより少し高さが低い建物の前の駐車場に私たちは集まっていた。
よかった、まだ、海は見えない。
でも、ふわりと吹いてくる心地のいい風にのって、懐かしい潮の香りが時々鼻をかすめる。
それに、私の心臓はドキリと嫌な音を立てた。
「いい匂いだなーっ」
横でそういったモッヒーに、私は我に返って、
「えっ、あ、うんそうだね!」
平常心を装いながら返事を返した。



