真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】


────次の瞬間。



バイクはありえないスピードで加速した。


茜のスピードとか、比じゃない。


え、え、え、え。



「ひぇええぇえぇ!!!」


怖すぎて頭が真っ白になる。

どうすることもできなくて、私はとりあえずミッキーの腰にしがみついた。



と、言うよりは、ミッキーの腰を締め上げたの方が正しいのかもしれないけど。



「ぐ、ちょ、日向日向苦しいっ!!イテェ!事故る事故る」



「あ、だだだって、こっ怖いんだもん!!ミッキー速すぎぃぃいぃい!!」



焦るミッキーの声も聞き入れず、ただひたすらミッキーの腰を締め上げる。



でも痛いだの事故るだの言っているくせに、ミッキーはスピードを落とさずそのまま走った。




まだ怖いけど、ミッキーの腰を締め上げなくていい程度にスピードにだんだん慣れてきた頃。





───「そこのバイク、止まりなさい!」