茜がなにを言いたいのかさっぱりわからなくてもう一回聞こうとした時、
「なんのこと────」
…なにを思ったのか、バイクは急発進した。
「ひぃいっ」なんて声を上げて茜の腰に強くしがみつく。
そうだ、ミッキーほどじゃないけど茜もそこそこスピードは出す方なんだった。
それも最初から。
それにプラスして不意打ちで出発なんて、ほんとに心臓に悪い。
突然のことにまだビビりながら、私はパッと顔を上げた。
「ちょっ、ちょっと茜!舌噛むんだけど!」
風で消されないように、前の茜に大声でそう言うと、
「バーカ、お返しだっつの!」
茜も大きい声で返してくる。



