真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【下】

いつもなら、腰に手を回したらすぐ出発するのに。


不思議に思って「あかねー?」と声をかけて、後ろから覗き込もうとする。



けど、「バカ、見んじゃねえ!」と大きい手で顔をぐいっと押し戻された。




「ぶわっ」



落ちるわバカ野郎!


なんて怒鳴ろうと思ったけど、茜の耳がさっきより赤くて。




「あーもー、マジでふざけんなよ…」



ブツブツ呟いた茜の言葉が理解不能だったから、そんな気持ちも萎えてしまって私はまた首を傾げた。




「なにいってんの?」



「………お前ってバカだからそんなこと平気で言えんの?」



だから、なんの話してんのさ。


そんなことってなに。