横で突っ込んでくるモヤシダさんにスルーを決め込もうと思ったら、オレンジ色の雫がポタッと地面に落ちて明るかった周りが暗くなった。
「あぁ!!!!ほら!モヤシダさんのせいで落ちちゃったじゃん!!!」
うわぁぁ、と騒ぐ私の頭に大きめの手がぽんっと乗っかった。
「うーわ、モヤシダサイッテー。日向元気出せって、な?」
「みっ、ミッキー!天使みたいだね!」
顔に似合わず、というのはあえて言わないけど。
そんな私たちをみて、「え?俺悪くなくね!?」とか騒いでるモヤシダの野郎はスルーだスルー。
それにしても。
「花火、終わっちゃったねぇ」
「……だなぁ」
騒いでる奴らに目を向けて、笑いをこぼしながらそう呟くとミッキーはしんみりした感じに呟く。
明日でもう、帰りだもんなぁ。
まぁ残りの夏休みも遊び呆けるんだろうけどさ。
─────あぁ、でもそうもいかないのかな。



