あいつは、俺の素性を知りたいっていうのもあったけど。
話したら、俺の心が少し軽くなることを知ってて俺の素性を知りたがってたのかもしんねぇな。
だって、興味本意だったら、あんなに必死に知りたそうな顔はしねぇと思う。────なんて、俺の買い被りすぎか。
そんなことを考えて、また一回ため息をついてから俺はフッとなんでかわかんねぇけど1人で静かに笑いをこぼした。
そして、膝に手をかけて立ち上がる。
「……探しにいくか」
どこいったんだあいつ、メンドクセェなんて呟きながら歩き始めた俺の足取りはさっきよりは幾分軽かった。
──────聞こえてきてしまったあいつと親父の会話に、少し。
ホントに少しだけ泣きそうになって、俺の長年の柵(しがらみ)がとれたのは、この少し後の話。
*少し前の茜side end*



