つまりは、こういうことだ。
私がぶつかったのは茜で、倒れるのを覚悟していた私の腰をとっさに抑えてくれてた、と。
私は謝りながら、茜の腕に体重をかけたままだった体勢を直した。
…あれ、そういえばなんでこんなところに茜が?
キョトンとした顔で茜を見つめれば、茜の目はどことなく、赤く見えて。
何となく、察してしまった。
茜、もしかして私と茜のお父さんの話聞いてたのかな。
聞こうと思って口を開きかけて─────別に聞くこともないか、なんて思って口を閉じた。
…茜にお父さんの気持ちが伝わったんなら、いいなぁ。
私は茜の赤い目については突っ込まず、代わりに明るくニッと笑って茜の腕をつかんで走り出した。
「よし!行くぞ茜!みんなもう花火しちゃってる!!」
「は、ちょっ!バカやろ、ううう、腕つかんでんじゃねーよ!!!」
あぁ、茜が意味わかんないくらいにウブなの忘れてたよ。
ごめんごめーんなんて笑いながら、茜の腕から手を離す。
「ふ、ふざけんなよマジで!」ちょっと顔を赤くして自分の腕を抑える茜は、本当に何て言うか不思議な奴だ。
堪え切れなくなってブフッと吹き出した私に怒ったような目を向けてから、茜はバシッと私の頭を叩く。
「いてっ!ちょ、茜待てコラ!ふ、ざけ……」



