でも、口に出して聞くことはできないから、それに絶対そんなわけねぇって言われるし。
私は心の中で思考を巡らせる。
茜は何かを思っているのか、海をじっと見つめている。
私たちの間には、海の波の音だけが響き渡った。
──愛されてない、茜はそう言ったけど。
私は、どうしても違う気がしてならない。
だって、だってさ。
さっき見た茜のお父さんは、少なくとも私が見た限りでは、茜のことを心配してた───。
そこまで考えたら、いてもたってもいられなくなって私はバッと立ち上がった。
「うわっ!ビ、ビビらせんなよ!」
横でいつもの調子で騒いでる茜に目線を一瞬移して、
「茜、私ちょっと行ってくる!!」
そう大声で言って走り出した。



