──────ガッシャン!!





殴って、粉々にした。




慌てる教師を視界の端に入れながら、俺は何も隔てる物がなくなった外を見つめる。




少し離れたところから、呼ぶ、声が聞こえた。



『茜ーー!!!!』



ピンクの髪の毛をゆらしてそう叫んでる幹夫と、美影とタカと朝陽を校門のところに見つけてフッと笑う。


昨日、『明日で全部終わる』って言ったからわざわざ来たのかよ、暇な奴ら。



そう思いながらも俺は嬉しくってまた、ハッと笑った。




クリアに見える青空に目線を上げる。


騒ぐ生徒の声も、慌てる教師の声も、怒鳴りつける親父の声も、何もかも遮断するように俺は息を吸った。






深く、深く。



そして息をはいて。


ざわつく奴らや止める奴らをかき分けて、俺はあいつらの元へと歩き出した。







──────もう、息苦しくは感じない。








*茜side end*