Ri.Night Ⅰ 【全完結】



こっわっ!!
普通、女に対してそんなに(にら)む?


って言うか何であたしが睨まれなきゃなんない訳!?あたし、悪い事なんて言ってないし!!


睨むんなら好きなだけ睨めばいいじゃない。


そんなに睨んでも怖くないんだから!
ダテに貴兄の妹してないしね!
怖さには慣れてるから!


それに、口では負けない自信ある。


来るなら来い!!


そう心中で叫んで拳をグッと握りしめ、男に向かって身構えた時、



「ブハッ!!」

「……は?」



突然吹き出したような声が聞こえた。


それが聞こえてきたのは目前からじゃなく左の方からで。新手の敵かと思ったあたしは、すぐさま左へと振り向いた。


すると。



「ブランコって!ブランコに乗りたいって!十夜が………ブ、ブランコ!!ギャハハハハハ!!」



視線の先には、お腹を抱えて大爆笑している男がいた。







「………」


また変なのが出たよ。何、この人。


ブランコブランコって連呼しまくってるけど、あたし、そんなに爆笑されるような事言ってないし。

って言うか、何が面白いのか全く分からない。



「面白すぎるしっ!」



何が?


あぁーもう!コイツら一体何な訳!?

そりゃあね、あたしもびっくりしたよ?


この不機嫌オーラ出しまくりの失礼男がブランコ乗るとか。


似合わないだろって思ったけど。
似合わなさすぎてちょっと心の中で笑っちゃったけど!