「……成る程。色々納得した。けど」


「……けど?」


「あたしは仲間にならない」



ううん、違う。


正しくは“なれない”、だ。


なっては駄目なんだ。


仲間になってもイイコトなんて一つも無い。


貴兄の事もそうだし、あたしの目的の為にも。


悪い方向へ進んでも良い方向へなんて進まない。



それに。



「仲間になんてならなくても関わらなければいいだけの事じゃない?」



解決策はある筈。



「それで済まねぇから言ってんじゃねぇか」


「何で?その中田って奴馬鹿なの?あたしだったらまず、拉致る前に相手の事探るけど?

一緒に居ない、イコール関わりはない。つまり、拐っても意味がない。そう考えるけど」


「……確かにお前の言う事は尤もだ。でも、アイツがそう考えるとは限らない。拐われてからじゃ遅いんだよ」



肯定と否定を同時にした爆笑男は真っ直ぐな瞳であたしを見据えた。


その瞳には偽りなど存在しない。


この男は本気であたしを護ろうとしている。


まだ逢って間もないあたしを。


いや、初めて逢った時にはもうその決断をしてくれていた。


それは爆笑男だけではなく、失礼男にも言えること。



『ねぇ!アナタはあたしが仲間に入るの嫌でしょ!?』



あたしがそう聞いた時、失礼男は『……別に』としか応えなかった。


じゃあなんでNOと言わなかったのか。


それは失礼男も爆笑男と同様に分かっていたんだ。


だから仲間になる事を承諾した。