さっきまでその存在すら感じない程だったのに、今はもうこの中の誰よりも華やかな存在感を放っていた。


向けられた漆黒の双眸に鋭い光が一筋差し込む。


それは、思わず息を呑んでしまう様な神々しさ。




「……どういう意味?」



交わる視線。


瞬きすら出来ない程にその漆黒の瞳に囚われる。




「お前が“仲間”じゃなかったら助けない。もしそうだとしたらどうする?まさか逃げられるとでも?」


「………」



少し怒気混じりの声。


怒ってる、と言われれば違うと思う。


どちらかと言えば諭してる。そんな感じ。


きっとこの人は普段からこんな冷めた口調なのだろう。


初めて逢った時もそうだった。



あたしが応えずにいると、失礼男はスッと視線を外し、爆笑男を見た。


同様に目を向けると爆笑男はフゥと小さく溜め息をつき、



「生憎俺等はそんなに薄情じゃないんでね。巻き込んだお前を放っておくつもりはない。分かる?」



軽い口調でそう言い放った。


その言葉を聞いてふとあるセリフが頭を過る。



「……アンタ、まさかその理由であたしを仲間に誘った訳?」



そう。


それは“あの時”のセリフ。




『お前、俺等の仲間になんねぇ?』



この男はあたしが後に狙われると分かっていたから仲間に誘ったんだ。



「そうだよ。そう言わねぇと怖がると思ったからな」