Ri.Night Ⅰ 【全完結】



「お前、壱の前だとしおらしいのな。まぁいいけど」



壱?この人“壱”って言うの?


名前までカッコイイ!



「無視かよ。ってか本題だ本題」


「……本題?」



何だっけ?


あ、確か……。



“お前が公園で胯間を蹴った男”



その事で連れて来られたんだよね?



「見つけたら仲間になるって言ったよな?」


「……ってそっち!?」


「おっ、ナイス突っ込み!」



嬉しくないわ!



「あ、アンタまさかさっきの……」



デタラメでした、とか言うんじゃないでしょうね!?


もしそうだとしたらとんだ食わせ者だ。


嘘なんかついてたらギッタギタにしてやる!



「まぁまぁそう怒んなよ。お前が“見つけ出したら仲間になる”って言ったんだぜ?」


「そんな事言ってないし!“見つけ出したら名前教えてあげるよ”って言ったの!」


「じゃあ名前教えろよ」


「もう知ってるじゃない!」



売り言葉に買い言葉。


互いに一歩も退かず、凄まじい攻防戦が繰り広げられる。



「絶対入らないから!」



逢ったのは二回目なのに、何でこんな喧嘩をしてるんだろう。


ホント意味分かんないし。



「二人共落ち着いて!……煌、ちゃんと説明しないと凛音ちゃんも分からないだろう?」


「凛音も、な?ちゃんと説明するから落ち着けって」



壱さんと陽があたし達の間に割って入り、壱さんは爆笑男……煌?とか言う奴を、陽はあたしを宥めにきた。