「……へ?」
「あはははは……っ!」
「なっ……!?」
突然馬鹿笑いとでも言える笑い声がその場に響き渡って。
何事かとその声に振り返る。
すると。
「………え?」
そこには、それこそ何故今まで気付かなかったのかと突っ込みたくなる程キラキラした男の人がいた。
「………」
少し前屈みになっているから分かりにくいけど、平均より高めの身長。
肩が揺れる度ふわりと揺れ動く、明るすぎないナチュラルブラウンの髪。
口元に寄せる手が上品さを表していて。
「あ、ごめんね?面白くてつい」
申し訳なさそうに向けられた瞳は、キラキラと優しげに揺れていた。
「き……」
「き?」
「キタァァァァァ!!」
「わっ!」
思わず上げてしまった雄叫びに、目を真ん丸にして飛び上がる男の人。
キタキタキタキタ!!
見つけた!!
あたしの理想の王子様!!
こんな所にいたなんて……!
「えぇー、と……?」
きょとんとした表情であたしを見ている王子様。
今のあたしには、その表情でさえもキラキラして見える。
「あの!!」
ズイッと下から見上げるような形で近付くと、あと少し、という所で突然誰かに腕を引っ張られた。
あぁあぁぁぁあぁ!!
あとちょっとだったのにぃぃぃ!!


