なんで今まで気付かなかったのだろうか。
……あ、そうか。爆笑男に気を取られていたからだ。
「……オイ」
あぁ、あたしの人生早くも終わった。
「凛音……?」
可愛い陽くんと妃奈に出逢って薔薇色の高校生活が送れるかと思っていたのに……。
「オーイ!凛音!」
陽くんと薔薇色の……って、
「陽!!」
「うわっ!」
「……って近っ!!」
バッと勢い良く振り返ると、すぐ目の前に陽がいて、すぐさま身体を後退させた。
だけど、振り子のように直ぐにまた戻り、陽の両腕にガシッとしがみつく。
「な、なん──」
「陽!アイツ等に何されたの!?上に行くってまさか……」
あたしの視線は陽から爆笑男へ。
「アンタ!!陽を連れて行ってどうするつもり!?まさかリンチする気じゃないでしょうね!?」
そう言って、ビシッと爆笑男を指差してやった。
「……プッ」


