「プリティーボーイ君って宮原って言うの?ごめーん、知らなかった!」
あっけらかんにそう言い放ち、プリティボーイ君の右肩をバシッと叩くと、
「だから痛ぇっての!」
宮原くんのプリプリ度が更に増した。
……うわー、可愛すぎる。
弄る快感を覚えたあたしは更に弄る弄る。
「可愛いぞコノヤロー!うんうん。取り敢えず友達になろうか!」
宮原くんとやらの頭を遠慮なく撫で回すと、
「わっ!柔らかっ!」
宮原くんの髪の毛の柔らかさに感動した。
金髪に近いミルクティ色だったからかなり傷んでると思ったけど何のその。
ふわっふわでビックリ。
そりゃこれだけワックスつけないとツンツンに立たないわけだ。
「止めろ!セットが崩れる!って言うか取り敢えずってなんだよ!取り敢えずって!」
「まあまあまあまあ」
「あーもう!分かったよ!なってやるよ!取り敢えず頭撫でるのは止めろ!」
半分ヤケクソみたいな言い方で了承してくれたプリティ……もとい宮原くんは、キッとあたしを横目で睨みつけた。
けど、今のあたしにはその表情でさえも可愛く見える。
当然、
「萌え~」
ってなるよねー。
怒っていても可愛いだなんてなんて罪な男なんだプリティーボーイ君。
……なーんて、口には絶対出せないけど。
「プリティーボーイ君」
「プリティーボーイ言うな」
「じゃあ下の名前教えてよ」
「………」
え、何で黙るの?
そっちが呼ぶなって言うから聞いたんだけど。
突然黙り込んだ宮原君は苦虫を噛み潰したような顔で床を見ている。
「プリティ──」
「………陽(アキ)」
「へ……?」
長い長い沈黙の後、宮原くんはフイッと顔を逸らしてポツリ、呟いた。


