「あれ?宮原君も凛音ちゃんの餌食になっちゃったの?」



頬をポリポリ掻きながら苦笑していると、不意に聞こえてきたのは妃奈の声。



「妃奈!」



導かれるように振り向くと、そこにいたのは思ってた通り妃奈だった。



「凛音ちゃん、宮原くんおはよう」



あたし達を見て何故かクスクスと愉しそうに笑っている妃奈。


きっと、さっきのやり取りを見てたのだろう。



「妃奈、おはよ~」


「おはよう凛音ちゃん」



昨日と変わらないその可愛い笑顔にふにゃっと顔が緩む。



「西上おはよー」


「おはよう、宮原くん」



椅子に座り直しながら挨拶を返すプリティーボーイ君。


少し照れ臭そうに挨拶を交わす二人に更にふにゃっと顔が緩む。



あ~。なんてナイスな組み合わせなんだ。


朝からこの二人と一緒なんて癒される~。


これから毎日この二人が拝めるなんて。


あぁ……幸せ。




っていうか。



「あれ?妃奈、プリティボーイ君知ってるの?」


「オイ!プリティボーイってなんだよ!」


「え?凛音ちゃん、宮原くん知らないの?凛音ちゃんの前の席だよ?」



プリプリ怒ってるお猿さんを軽くスルーした妃奈。


そんな妃奈にプリティーボーイ君は「西上まで…!」とショックを受けている。



……妃奈って案外強者なのかもしれない。