「な、なんで真紀さんが!?」
息を乱しながら駆け寄ってくる真紀さんに駆け寄っていく。
「……っ…凛音、凛咲(リサ)から聞いてないの?」
「へ?ママから?何も聞いてないよ?っていうかなんで真紀さんがここにいるの?……あ、もしかして凌(シノグ)もこの学校?」
あれ?でも、凌は確か貴兄と優音と同じ学校へ行った気が……。
凌っていうのは真紀さんの息子で、あたし達兄弟の幼馴染みだ。
「違うわよ。凌は聖陵学園に行ったんだから」
あ、やっぱそうだよね。
「その様子からするとホントに何も聞いてないのね。凛音、私はね、この海珱(カイオウ)高校の理事長をしてるのよ」
……え?
「り、理事長ー!?」
ま、マジですか!?
開いた口が塞がらないとはまさにこの事で。
まさか真紀さんがこの学校の理事長だったなんてそんなの全然知らなかった。
「って言っても今年からなんだけどね」
「………」
あははと苦笑するけど、あたしの思考は未だに追いついていない。
「き、聞いてないよー。ママ何も言わなかったよ?」
うん、絶対言ってなかった。
「おっちょこちょいの凛咲らしいわね。昨日電話で『頼んどくからねー』って言ってたわよ?」
……真紀さん、おっちょこちょいじゃ済まされないでしょ、それ。