「そっか~。じゃああたしが一番前に連れていってあげる!行こう!」
そう言って女の子の手を引き、人混みを掻き分けて最前列まで進んでいくと、「見える?」と言って掲示板を指差した。
「うん、見える!ありがとう!」
掲示板を見上げ、満面の笑顔でお礼を言ってくれる女の子。
「良かった!」
抱き着きたい衝動をグッと抑え、あたしも同様に笑顔で返す。
「クラス探そっか!」
「うん!」
顔を見合わせて笑い合うと、同時に掲示板を見上げた。
東條 凛音、東條 凛音、と。
あっ!あった!
「A組だ!」
「A組だ!」
「……え?」
「……へ?」
声が重なって振り向くと、隣にいた女の子が驚いた顔であたしを見ていた。
「えっ!?もしかして一緒のクラス!?うわっ嬉しいっ!良かったら友達になろうよ!」
「わぁ!あたしも嬉しい!友達になろう!」
手を取り合って、その場でぴょんぴょんと跳び跳ねるあたし達。
偶然な事に同じクラスだったあたし達はすぐに意気投合し、一緒に体育館へと行く事にした。
途中、自己紹介をし合いっこする。
「あたしは東條 凛音(トウジョウ リノ)!凛音って呼んでね!」
「私は西上 妃奈(ニシウエ ヒナ)。妃奈って呼んでくれたら嬉しいな」
呼ぶ呼ぶ!呼ばせて頂きますとも!


