浮かない気分でご飯食べ終えると、溜め息混じりに後片付けをし始める。
ふと時計に目をやると、長針が10を指していた。
八時十分か……
八時半までに学校へ行かないと駄目だから、そろそろ家を出ないといけない。
素早く片付けを済ませ、制服に着替える。
「……よしっ」
一度試着済みだけど、やっぱり新しい制服を着ると気分が踊る。
中学のセーラー服と違い、高校の制服はブレザー。
グリーンのチェック柄のスカートがお気に入り。
うん、やっぱり此処の制服可愛い!
キモ男の事なんてスッカリ忘れてしまったあたしは、ルンルン気分で真新しい鞄を手に持ち、新品のローファーを履いて外に出た。
「良い天気!」
空を見上げれば、まさに入学式日和とも言える青空。
雲一つない真っ青な空が心を晴らしてくれるようで、自然と笑みが零れる。
「着いたー!」
マンションを出て、周りの景色を楽しみながらゆっくり歩いていると、数十メートル先に見えたのは今日から通う高校。
合格発表の時にも来たけれど、あの時と今とでは全然気分が違う気がした。
今日が入学式だからかな?
楽しみすぎてテンションが上がる。
「わっ!」
早なる鼓動を抑えながら門を潜ると、そこは人の山、山、山。
これ、みんな新入生!?すごーい!
想像していたより多い人の数に更にテンションが上がっていく。