……いや、まさかね。そんな偶然有り得ないし。


違うよ。絶対に違う。


ホラ。この近くにあたしの知らない公園があるのかもしれないし。



「………」



でも。


もし、この人達が言ってる公園が昨日行った公園だとしたら……。


さっき言ってた女って……あたしのこと?



「なんか中田の奴、その女捜してるらしいぜ?なんでか知らねぇけど」


「………っ」



ちょ……!!


今、信じられない言葉が聞こえた。



“女を捜してる”……?



嘘でしょ……?


捜してるの?アイツが?あたしを?何で!?


も、もしかして昨日の仕返し!?


って言うか、もし今の話が本当だとしたら、あたしこんなとこで呑気に雑誌読んでる場合じゃないじゃん!




隣の会話はまだ続いていたけど、最早あたしの頭の中には“ヤバい”という事しかなくて。



見つかる前に逃げなきゃ!!



あたしは軽いパニックに陥っていた。


取り敢えず雑誌を棚に戻して、食料品売り場へと向かう。



か、買い物しなきゃ!一週間分!


取り敢えず家から出なきゃいけるでしょ!


そしたら見つかる事もないし。


そうだ。そうしよう!


これから一週間、学校行くまで家から一歩も出ない!決めた!



一週間家から出ないことを決意したあたしは、一週間分の食料を大量に買い込んで、またもや不審者の如く周囲を見回しながら家に帰った。