「そういやさー、Blade(ブレイド)、昨日喧嘩して負けたらしいぜ」



中盤まで読み終わった頃、ふと耳に入ってきたのは隣の会話。



「マジで?どことやったんだよ?」


「鳳皇(ホウオウ)だとよ」


「そりゃ負けるわ」


「だよなー。アイツ等強ぇもん」



……また暴走族?この辺暴走族多いのかな?


ぶっちゃけ昨日の事思い出すから聞きたくないんだけど。




「でもな、聞いたところによると鳳皇に負けたんじゃないらしいぜ?女に殺られたって言ってた」


「はぁ?女?」



……女?


へー、女でも暴走族入るんだー。


こっちでは珍しくない事なのかな?


どうりでアイツ等もあたしの事誘いに来る訳だ。




「らしいぜ。中田を一発KOだってよ」


「へぇー。中田が殺られたって事は鳳皇の女かなんか?その喧嘩何処でやったんだよ?」


「鳳皇の女かどうかは分かんねぇ。場所は……ホラ、良く喧嘩に使う公園あるじゃねぇか!この近くの柊公園!」


「……あぁ、あそこか」



へー、この近くでやってたんだ。


……って、この近く!?


え?今、何て言った?この近くの公園って言ったよね!?


確かこの近くの公園って、昨日行った公園しかなかったような……。



たらり、と嫌な汗が背中を伝っていく。