「ははは……っ」
可笑しくもないのに勝手に零れ落ちる笑み。
「……は……っ」
やっぱり好きになっちゃいけなかった。
十夜を好きになっちゃいけなかったんだ。
「……っ、十夜、とお……」
分かってた筈なのに。
最初から分かってた筈なのに。
好きになっちゃ駄目だって分かってたのに。
「うぅ……」
ねぇ、本当なの?
獅鷹が──貴兄が十夜に怪我をさせたって本当なの?
入院するぐらい大きな怪我を貴兄達が十夜にさせたって、そんなの嘘だよね?
もしそれが本当だとしたら、十夜は貴兄を恨んでる?
ねぇ、教えてよ十夜。
教えてよ……。
ずっと知りたいと思っていた十夜の傷。
それがまさか獅鷹のせいだなんて思ってもいなくて。
けど、この“真実”はまだほんの“序章”に過ぎなかった。
これから暴かれる“真実”がどれだけ自分を、……いや、皆を傷付けるのか、この時のあたしは知る由もなかった。
【2巻へ続く】


