Ri.Night Ⅰ 【全完結】


一度も止まる事なくエレベーターへ走っていき、震えたままの右手でボタンを乱暴に連打する。


エレベーターに乗り込むと、十階のボタンを押してからフラッと壁に凭れた。



まだだ。まだ、駄目。



チン、と軽快な音が鳴り響き、開くドア。


それを合図に、エレベーターから力一杯飛び出した。


全速力で廊下を走り抜け、自分の部屋を目指す。



走って。走って。走って。

何も分からなくなるぐらい走って。


どうしようもないこの気持ちを消し去ってしまいたかった。


でも、どれだけ走っても消えてはくれない。




「……っ」


震える手で鍵を開け、中に入って勢いよくドアを閉める。


「うぅ~」


ドアを背にして、その場にズルズルとしゃがみ込んだ。




「ふっ……ひっく……」


一気に溢れ出す涙。


我慢していた気持ちが涙と共に溢れ出した。



「………っ、なんで?なんで……っ」



なんで十夜の傷が獅鷹のせいなの?

なんで、鳳皇と関わりがあるの?


なん、で………。


膝の上にポタポタと零れ落ちる幾つもの涙。


「うぅ~……」


真っ暗闇の中で聞こえる自分の泣き声が、余計にあたしを闇へと堕とした。