「凛音ちゃん……宮原くん死にそうになってるよ?」


「……ん?」


トントンと肩を叩かれて振り向けば、苦笑している妃奈がいて。


指差されている方を見ると、


「陽ーーー!!」


陽が白目を向いてぐったりしていた。


直ぐ様肩を掴み、覚醒させようと前後にガクガク揺らす。


「り、凛音、揺らすな……」


「凛音ちゃん!」


頭がガックンガックンなりながらもと必死に何かを訴えようとする陽と、それを慌てて止めにくる妃奈。


すぐに止めて「ごめんごめん!」と両手を合わせば、


「ったく、ちょっとは加減しろよな……」


まだ目が回っているのか、俯き加減で頭を押さえている陽。


ホントごめん、陽。







「凛音、早く行こう。煌に文句言われる!」


時間を見れば、ホームルームが終わって結構経っていた。

慌てて鞄を持って準備する。


「妃奈、行こう!」


「あ、私、職員室行かなきゃいけないから先帰ってて!」


「でも、」


「早く行かないと煌先輩うるさいんでしょ?」


確かに。


「じゃあお言葉に甘えて先帰らせて貰うね!」


バイバイと妃奈に手を振って、陽と一緒に教室を出る。