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「クリアーー!!」

「クリアーー!!」


『補習のヤツは課題取りに来いよー』という担任の声と共に、歓喜の声を上げながら抱き合うあたしと陽。


「赤点じゃなかったよ陽!」

「やったな!凛音!」


うっすらと涙を浮かべながら二人同時に手を取り合い、深く頷いて喜びを分かち合う。


「嬉しいよぉ~」

「嬉しすぎる~」


手を握り締めるだけじゃ全然足りなくて。


「陽……」

「凛音……」


涙を浮かべながらヒシッと抱き締め合った。


赤点じゃなかったぐらいで馬鹿みたいに感動するあたし達は、周りから見たらきっとかなりイタイ奴なんだろう。


でも、そんな事気にならないぐらい嬉しいんだ。


「凛音!痛ぇー!!ち、力……!!」


だって、この一週間どれだけ苦しくて死にそうだったか分かる?


「凛音!お願いだから!」


学校から帰ってきて毎日倉庫で勉強、勉強、勉強。


もう、彼方と壱さんのスパルタがハンパないんだって!


「り……ホント、ギブ……」


彼方は何だかんだ言ってあたしには甘いから飴とムチを使い分けてくれるけど、壱さんは笑顔でスパルタだからね。

何度泣きべそかいた事か。


それが無くなるんだと思ったら、もう嬉しくて嬉しくて。

赤点じゃない事よりも嬉しい。