チラリ、顔を上げると、目が合った壱さんは口パクで「出ていいよ」と言ってくれて。
ここで電話に出ないと怪しまれると思ったあたしは意を決して電話に出た。
「もしもし」
スライドした瞬間音量を低くして、返事に備える。
『凛音、まだ友達んとこか?いつ頃帰ってくる?』
いつ帰ってくるってもうそんな時間!?
その問い掛けに慌ててリビングにある時計を見ると、時計の針は17時を示していて。
「ごめん!今から帰る!」
十夜達に聞かずそう返事する。
『了解。迎えに行かなくてホントにいいのか?』
「うん、大丈夫!じゃあまた後でね!」
『ちょ、凛音──』
余計な会話をしたらボロが出そうだったから強制終了。
貴兄ごめん!
「凛音、帰んの?」
「うん。ごめんね。ちょっと友達来るって言ってて……」
「そっか……」
シュンと肩を落とした陽に胸がキュンと締め付けられて。
「凛音、頭撫でんなって!崩れる!!」
頭を撫で撫ですると、キャンキャン吼えられた。
可愛い奴め。


