なんで、いきなり?
十夜を見上げても十夜の視線は前方へと向けられたままで感情が読み取れず。
何で手を繋がれたのか分からないまま並んで階段へと歩いていく。
……ん?
途中、周囲から視線を感じて振り向けば、振り向いた先にちょうど冬吾くんが居て。
目が合った瞬間、にやりと微笑まれた。
その意味深な笑顔に頬がヒクヒクと引き攣って。
目が合った以上無視する事も出来ず、嘘臭い笑みを交わし続ける。
そんなあたし達を隣に居た勇介くんと千暁くんが不思議な顔で見てたけどスルーさせて貰った。
十夜と手を繋げて嬉しいけど、皆の前で繋ぐのはかなり恥ずかしい。
だって視線ビシバシ感じるもん。
「凛音はよー!昨日ぶりー」
「おはよー。昨日ぶりー」
意味不明な挨拶をしてきた陽きゅんにハイタッチして、今や定位置となった二人掛けソファーへと腰を下ろす。
「はい、凛音ちゃん。いつもの」
「わ-い。ありがと壱さん」
コトンとテーブルに置かれたのはお気に入りのジュース。
「あー、美味い!」
毎日飲んでも飽きないよね、これ。
「お前、そんなのよく飲めるな」
「何でよ。美味しいじゃん」
チューと音を立てて吸えば、あからさまに嫌な顔をする煌。
相変わらず失礼な奴だな。


